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憲法九条を世界遺産に
 太田光さんが好きなので、なんとなく『憲法九条を世界遺産に』を買って読んでみた。




 R25だったか、太田光のインタビュー記事に、年間100冊のペースで本を読んでいる、というようなことが書かれていた。

 一般人の私からすると、彼のバックエンドの知識は非常に広く深く見え、その考えも独創的なものであるように感じられる。それは本書においても存分に発揮され、対談の前段では宮沢賢治の思想から憲法九条まで掘り下げていくといった、ある種非常に偏った考えとしか受け取れないような議論が展開されていく。

 全体的に難解な話が多かったが、面白い話題もいくつかあった。それが、太田が言う「平和憲法は珍品であり、それが世界遺産とすべき理由の一つ」という考えだ。
 戦後の混乱の中、あの時代のアメリカの思想と、長く戦争を続けてきた疲弊した日本の思想が折り重なり生まれた突然変異が憲法九条であり、「稀有な珍品」であるという。また、ユニークであり面白いからなくすべきでない、と。彼の独特の視点からの語り口による対談は読み応えがあった。

憲法九条条文
1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 力を保持していながら戦わないことと、そもそも戦う力を保持していないことは大きく違う。平和を願うのは簡単だが、戦う力を持たないと決めるには並々ならぬ覚悟が必要だ。
 日本は前者を選んだが、憲法九条の条文は後者を目指しているように解釈出来る。しかし、後者は理想論だ。これは対談中にも触れられているが、前者を選んだ日本の選択は正しいし、私もそう考える。

 理想を語るには力が必要であり、残念ながら今の世界で平和を語ることは理想を語ることだ。ここに憲法九条と現実との大きなギャップがある。しかし、憲法九条がただの理想論であったとしても、その理想は崇高でとても美しいものだし、だからこそそれを持ち続けるべきではないだろうか。

 もし今憲法が改正されて九条が変わってしまったら、という話題の中で太田さんは、「平和憲法を変えてしまったあの時代の日本人は何を考えていたんだ、と言われたくない。自分はその時代の日本人だから。」というようなを語っていた。

 それには深く共感出来た。我々は今を生きる日本人として、過去の日本人達が創り、守ってきたものを持ち続けていくべきではないだろうか。地球上でも数少ない青臭い理想を語る、憲法九条を世界遺産に。

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対談中にことあるごとに太田さんの頭の引き出しが開かれてますが、
大津留公彦のブログ2さんの最後でまとめられてます。
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by tkt33 | 2007-02-08 21:28
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