人気ブログランキング | 話題のタグを見る

放送と通信と日常と
by tkt33
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
ねずみの婿とり
 あるところに、たいそう裕福なねずみの一家がおりました。一家は娘を授かると、「天下に並ぶものの無い婿をとらせよう」と考えました。
 「太陽は常に世界を照らしている。太陽こそ婿にふさわしい。」
 そう考えたねずみは太陽に言いました。
 「太陽さん、あなたは天下一です。是非とも娘の婿に来てください。」

 しかし太陽は言いました。
 「確かに私は世界を照らすことができる。だがひとたび雲がたちこめれば、その光は遮られてしまう。雲を婿にするといい。」
 「確かにそうだ」
 そう思ったねずみは、雲が出るのを待つと、早速雲にその話をしました。

 そうすると雲は言いました。
 「私は日の光を隠すことは出来るけど、ひとたび風に吹かれてしまえば、すぐに飛ばされてしまうよ。風を婿にするといい。」
 「そうかもしれない。」
 ねずみは、吹く風に向かってまた話をしました。

 今度は風が言いました。
 「私は雲を吹き飛ばすことはできても、家を倒すことはできません。家を婿にしなさい。」
 「そうしようか」
 ねずみは家に向かってまた話をしました。
 
 家は言いました。
 「私は風に倒されることはないけど、ねずみにかじられるとたちまち穴が開いてしまうよ。」

 ねずみは考えました。

 「そうか、そうするとねずみが天下一だ」

 ねずみの一家の娘は、ねずみを婿にとって幸せに暮らしたそうです。
by tkt33 | 2005-01-07 17:37 | 日本昔話
<< 小倉百人一首 固定概念とか >>
忍者ツールズ RSS feed meter for http://takat.exblog.jp