食事では全然無いのに、それ以外で食わず嫌いを結構する。例えば本とか。言ってみれば「読まず嫌い」ってとこで、まず流行りものが駄目だ。ハリーポッターとか。読んだら間違いなく「ああ、すげー面白いこれ」とか言うんだろう。そんなことはわかってる。ただ、流行ってるうちはまるで読む気がしない。
あんまり前おきとは関係ないけど、最近やっと推理小説を読む気になった。で、手に取ったのが宮部みゆき著『火車』だ。
ファンタジーでメルヘンチックな話でもない限り、フィクションは「現実と隣り合わせ」ってのが一番面白いと思う。あまりに突飛な話は嘘くさい。事実は小説より~なんて言葉があるけどまさしくその通りで、「小説は事実より事実らしく」作られてるんじゃないだろうか。
脱線したけど、『火車』は普通に面白かった。次のページが気になって、読むのが止まらない。気づいたら朝4時だった。
現実の世界にはあちらこちらに深い闇があって、でも普通に生活してるとその部分はやっぱりよく見えない。見えないから人は頭で創造する。『火車』はその見えない部分をすごい臨場感で創造させてくれる、震える本だった。